この本がエロい!2022
聖なる夜に性なる本を。2022年に愚息を喜ばせたエロマンガをご紹介。
注意すべきは、あくまで MY SON であってYOUR SON でないこと。趣味が違えば、好みも違う。未読の方は「こんなのがあるんだー」と生温かく見ていただければいいし、ご存知の方は「それが好きならこれはどう?」と逆紹介していただけると喜びます、息子が。
実用度が高く、かつ、読んで面白いエロマンガを厳選した。
おもちかえり(楝蛙)
リアルな肉感というか、しっとりした肌感がすばらしい。
もし触ったら、やわやわとする一方で、沈み込んだ指を押し返す弾力があって、繰り返すと吐息が漏れ出てくるんだろうなーと思えてくる(そんなリアルさ)。
暗がりのなか、外からのほの明るさに照らされた裸身は、まさにこんな感じ。キレイで背徳的で、しっかりとエロい。
友だちの彼女を慰めているうちにお持ち帰りになったり、昔の彼女が泊まりにきてそのまま性欲全開になったり、なさそうでありそうなシチュエーションも好き。
特に『境界の彼方』の栗山さんみたいなショート+メガネっ娘とイタすやつが◎(表紙の子)。
先輩を頼って田舎から上京してきた女の子が、そのまま先輩の部屋に泊まることになる。で、襲われるのは先輩の方で、目覚めたら彼女が跨っている。どうやって大きくしたのかは不明だが、騎乗→Fぇら→後背→亀甲縛りのまんぐり返しとバリエーションが豊富なり。その度にくるくる変わる彼女の表情もまたイイ。
「挿入(はい)ってくる……!」とガマンして唇を噛みしめたあと、トロトロに溶けるようなイキ顔が生々しい。
女の身体がこんなに柔らかく、美しいのかと、改めて手を合わせたくなる。極めて実用的な一冊。
ギャルjkエロ漫画(牛牛牛牛牛牛)
性交をリアルに描くと、「かなりグロい」ことが分かる。
当事者が夢中であるほど、快楽を貪ろうと必死になるほど、鬼気迫るような姿態になってくる。これはグロい。
自分の経験を思い返してみるにつけ、「ああ、確かに私もそんな顔してたかもしれないし、相手もそんな声やコトバを出していた」と実感が湧いてくる。
ネクラな高校男子が主人公で、もちろん彼女どころか、クラスの女の子と話したこともない。それが、図書委員で一緒になったギャルの子に「よろしくね」と手を握られ、舞い上がってしまい、惚れてしまう。
ネクラとギャル、接点なんて無いのだが、友人から「彼女、頼めばヤらせてくれるらしいぜ」と教えられ、意を決して申し込むことになるのだが……
その後のやりとりには爆笑した。 どう見ても「安西先生、バスケがしたいです……」の構図で、「エッチがしたいです……」と土下座する少年、面白すぎる。
そんな感じで、彼女のリードになるのだが、それも最初だけ。童貞少年のぎこちなさは、何度かの絶頂を経ると、こなれてくる。そして絶倫、ぜんぜん萎えないのが凄い。最初はからかい気味だったギャルなのだが、何度出しても復活して挑んでくる。
いつしか余裕が無くなってきて、無我夢中になる。「舐めちゃダメ、そこ汚いからぁ」というコトバを無視して舌を入れてきて、気をやるあまり69で失禁してしまうギャル、それをごくごく飲む……よくあるシーンなのだけど、生々しく凄まじく描写するので、自分がシているかのような感覚に陥る。
とはいえ、数えてみたら3時間で14回も出している(バケモノかよ)。しかも別れ際にも前かがみになっているので、常人の域を出ている。
身体の相性が抜群なのに気づいた二人は、これがきっかけで、お互いに快楽を貪り合うようになるのだが……という話。せつないけれど、「えっちがしたい」パワーの凄さを思い知るべし。ネクラで弱弱な男子が「えっちがしたい」というパワーに突き動かされるとき、最高にカッコよく見えてしまうのが笑えるし泣ける。
TS☆Revolution(史鬼匠人)
クッソ笑った。「ヤリチンが女になったら」という設定でアクセル限界えっち臨界まで踏み込む。
パリピのミキオは夜道で拾った美女と公衆トイレでセックる……翌朝、グラマラスな女になっていた。友だち1(パリピ)に言っても信用してもらえず、「おねーさんキレイだね」と口説かれ→飲み会となり→なし崩しに押し倒され、合体と相成る。
「女は男の8倍気持ちいい」を身をもって味わうミキオ(ちょっと羨ましい)。連戦の末、二人とも倒れこみ眠ってしまう。
翌朝、お約束どおり友だち1は黒髪の美女になっていた。どうやら、イタすと感染して女になるらしい。こんな感じで、友だち2(パリピ)、友だち3(パリピ)…と増えていく。TS(トランスセックス)感染症として瞬く間に広まっていき、女体化パンデミックとなる。
昨今の感染症の暗い世相と重なるが、うぇい系+パリピのノリで、気持ちよければ全て良しの勢いで転がっていくサマがロックしてて面白い。
愚息を放り出してひとしきり爆笑した後、明るく楽しくネチっこい合体シーンを実用に供する。なんか同性に勃起しているみたいで妙な気分も味わえる。ジェットコースターみたいなエロマンガ。
BorderLine(桐原湧)
この写実は好き。
設定は嘘でいいんよ。男にとって都合が良すぎるし、数ページでえっちシーンまで持っていかなければならないし。それ以外のところでリアルな夢を見させてくれれば御の字―――そういう姿勢で読むと、これは「お手入れの無さ」というリアルと、肩甲骨のリアルだな。
ヘア写真集とかグラビアに載るようなヘアは、きちんと「お手入れ」している。繁茂エリアをシンメトリカルにしたり、濃度を整えることで、大人の女として見られることを意識している。
だがこれは、大人の女のボーダーライン上にいる少女たちのため、「そのまま」となっている。だから、個人差のあるままの自然な様子を見ることができる。
これに加えて、華奢な肩甲骨が良い。後背からの描写の時に際立っているのだが、背中は少女なのに、下半身に視線を移動させると肉厚の成熟した身体となっている。このアンバランスが良い。
はじめてラブホに入った高校生カップルとか、図書準備室での遊びとか、はじめてのお泊りとか、見ているこっちまで幸せになってくる。上にまたがって、恥ずかしいのに気持ちい……と呟く姿がえっちなり。
不完全マーブル(きい)
せつなさ&実用度No.1なり。
多感な年頃の性を、いつくしむように丁寧に描いている。
表紙の子は、「日陰ちゃん」と呼ばれている。地味で、引っ込み思案な少女と、罰ゲームのため彼女に告白するよう強制された少年の性愛は、いじらしく、応援してあげたくなる。
最初は、彼女のを舐めるだけだったのが、だんだんエスカレートして、口でしてもらったり、互いに舐め合ったりしていく。そして、「今日、ウチに誰もいないんだけど……来る?」という問いかけに、てててっと走って「行くー」と答えるのが、かわいすぎる。
お互い初めてなので不器用で、正常位で入れた途端、出そうになる彼。そんな彼の手を取って自分の胸に当てて「エへへ、ドキドキすごい」とする彼女、いじらしすぎる。
性春している二人を愛おしむマンガかと思いきや、性交シーンもきちんと描かれていて◎なり。一切お手入れしてなさそうなヘアを掻き分けて舐めるところとか、きちんと挿入(はい)っているところのキツさと柔らかさがリアルに表現されているところが実用的なり。
競泳褐色少女が友人の男を寝取る(≠ネトラレ)話とか、男子寮で憧れの先輩とする話とか、どれもこれも良きものばかりなのだが、シチュ・せつなさ・情感がMAXにまで盛り上がったのが、「六月の雨の夜に」だな。
接点がなく、ほとんど話すこともなかった(でも気になっていた)クラスメイトに傘を貸したのがきっかけで、都合の良すぎる偶然が重なり、お泊りとなる。溜めに溜めた情動が一挙に奔流となるのだけど、服を脱ぐのももどかしく、ベッドに行くのも間に合わずに身体を重ねる。エロくてグロいんだけど美しい。
「そんな男に都合のいい状況なんてあるかよ!」というのはご尤も。だけど、都合が悪いのは現実だけで充分で、せめてエロマンガの世界だけではご都合主義を完徹させてくれ。
カラダの美しさや柔らかさの表現に目が向いていたけれど、シチュエーションの妙やイキ顔の味わいを追求するようになった。過去へ潜っていくと、私好みの変遷も辿れて面白い。このラインナップから、お薦めを教えてくれるとありがたい。
よいエロ本で、よい人生を。